複製 會津八一[歌と書の世界]〈全13点〉
ふくせい あいづやいち[うたとしょのせかい]
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あをによし ならやまこえて さかるともゆめにしみえこ わかくさのやま奈良山を越えて、自分は遠ざかってゆくのだが、せめて夢にで
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香薬師を拝してみほとけの うつらまなこに いにしへのやまとくにばら かすみてあるらし「香薬師」は新薬師寺薬師堂内に安置されて
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まめがきを あまたもとめて ひとつづつくひもてゆきし たきさかのみち「滝坂にて」と題する五首の中の歌。滝坂は春日の山を石切峠
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ふぢはらの おほききさきを うつしみにあひみるごとく あかきくちびる法華寺本尊十一面観音像を詠んだ歌。藤原の大后(光明皇后)
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いかるがの さとのをとめは よもすがらきぬはたおれり あきちかみかも斑鳩の里の少女は夜もすがら機を織っているが、その音は秋の
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すゐえんの あまつをとめが ころもでのひまにもすめる あきのそらかな薬師寺東塔を詠んだ歌。「すゐえん」は水煙で、塔の九輪の上
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おほてらの まろきはしらの つきかげをつちにふみつつ ものをこそおもへ唐招提寺のふき放しの円柱が、月光をうけて地上に印した影
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袖裏の毬子直千金謂う言は好手等匹無しと箇中の意旨如相問わば一二三四五六七袖の中の毬は千金の値打ちがある。思うにわしは毬つきの
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他人の力をかりず、自分独りで進むこと。『南京新唱 自序』に「独往して独唱し、昴昴として顧返することなし」とある。 布貼箱入・
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一、ふかくこの生を愛すべし一、かへりみて己を知るべし一、学藝を以て性を養ふべし一、日々新面目あるべし大正三年、早稲田中学校の
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論語「依於仁、游於藝」より。心を藝術によせて楽しむこと。「遊藝」「依仁遊藝」と書いたものもある。この作は昭和31年6月(没5
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会津八一は若い頃から老子の『道徳経』を好んだ。「無」は老子の哲学の原理である「無為自然」からきている。この一字を書いた作品は
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蘭:愁殺す楚の三閭 竹:一枝の雲葉山窓の裏 夜半月明かにして露珠を生ず 梅:惆悵す詩魂呼べども醒めざるを 只だ留む明月の梅花
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蘭:愁殺す楚の三閭 竹:一枝の雲葉山窓の裏 夜半月明かにして露珠を生ず 梅:惆悵す詩魂呼べども醒めざるを 只だ留む明月の梅花