ほっとする聖書［いまをひらく70のことば］

白取春彦の超訳が冴えわたる！

『旧約聖書』と『新約聖書』から厳選した七十の金言を『ニーチェの言葉』で知られる白取春彦の超訳と、書家・石川芳雲の書で味わう。「いま」を生きるためのことばとして、西洋文明の基盤である『聖書』を大胆に捉えた一冊。

　　　　　　　はじめに

　　　　　愛　愛は人を建てる
　　　　　　　素直な心、柔和な心
　　　　　　　いつも喜びなさい
　　　　　　　独りでいるよりも、二人でいるほうがよい
　　　　　　　二人で願うなら成就する
　　　　　　　愛に恐れはない
　　　　　　　相手を愛しつくす
　　　　　　　愛の掟
　　　　　　　敵を愛する
　　　　　　　左の頬をも向ける
　　　　　　　どこまでも赦しなさい
　　　　　　　神の国は人の中にある
　　　　　　　生きている者の神
　　　　　　　神の正義は愛

　　　　　人　神を畏れることは人の誇り
　　　　　　　神は人の内にある清いもの
　　　　　　　神は闇にひそむものを照らす
　　　　　　　神は聞いている
　　　　　　　神はわが声を聴く
　　　　　　　神は人の思いを知る
　　　　　　　おまえの罪は重い
　　　　　　　本当に悔やむならば神は罰しない
　　　　　　　正義を水のごとく
　　　　　　　毒を活かす
　　　　　　　この世に倣うな
　　　　　　　人は神の作品

　　　　人生　恐れるな
　　　　　　　カナンに行け
　　　　　　　木はその実でわかる
　　　　　　　心が顔をつくる
　　　　　　　労苦を楽しむ
　　　　　　　我が艱難を誇る
　　　　　　　弱いときにこそ強い
　　　　　　　命を与える
　　　　　　　静かに働き、みずから得たパンを食べよ
　　　　　　　きょうの労苦はきょうで足りる
　　　　　　　重すぎる荷に手をかけるな
　　　　　　　自分を捨てよ
　　　　　　　わたしの荷は軽い
　　　　　　　私は剣をもたらす
　　　　　　　自分の救いを達成せよ
　　　　　　　冷たいか、熱くあれ

　言葉と知恵　言葉がすべてを造った
　　　　　　　言葉が心を支配する
　　　　　　　言葉を貫け
　　　　　　　黄金など一握りの砂
　　　　　　　知恵は時を知る
　　　　　　　真実を語れ
　　　　　　　寛容をまとう
　　　　　　　あなたたちは世の光
　　　　　　　我が内なる光
　　　　　　　人は、生きた年の数では計れない
　　　　　　　白髪に分別

恵みと楽しみ　叩く人にだけ戸は開かれる
　　　　　　　求めれば必ず与えられる
　　　　　　　どんな場合でも足りている
　　　　　　　必要なものはもう与えられている
　　　　　　　少なくても満足、多くても満足
　　　　　　　この世での生活を楽しむ
　　　　　　　愉快ならば食べ物は旨い
　　　　　　　酒は人の楽しみ
　　　　　　　千人に一人の友
　　　　　　　創造物に捨てるものは何一つない
　　　　　　　尊敬を心に
　　　　　　　思いわずらうな
　　　　　　　手厚くもてなしなさい
　　　　　　　恵みを
　　　　　　　貪欲は悪
　　　　　　　与えよ、受けよ、楽しみを味わえ
　　　　　　　おまえは神の恵み